“なぜ、「生け花」と「プラスチックの造花」のあいだに美的価値の違いがあるかということを前に論じたことがある。
もしも、造型的にも、香りも、触感も、まったく同じであったとしたら、「生きた花」と「死んだ花」の本質的な差はどこにあるか。
差は一つしかない。
「生きている花」はこれから死ぬことができるが、「死んだ花」はもう死ぬことができないということだけである。
美的価値とは、畢竟するところ、「死ぬことができる」「滅びることができる」という可能態のうちに棲まっている。
私たちが死ぬのを嫌がるのは、生きることが楽しいからではない。
一度死ぬと、もう死ねないからである。
すべての人間的価値を本質的なところで構成するのは「死」である。
「仮死性」というものがあらゆる人間的価値の中心にある。”
— 内田樹の研究室 - 死ぬ言葉 (via plasticdreams) (via yaruo)
2010-04-07 (via gkojay) (via fileo)
